乳がん治療中、治療後に介護の仕事はできるか?

彼女が乳がんを発症したのは32歳の時です。

まだ若かったこともあり、がん保険に入っていませんでした。

だから当初、治療をしながら仕事をしようと考えていました。

生活や治療にはお金がかかりますからね。

今回は乳がんの治療を続けながら働くことについて書きたいと思います。

彼女の仕事は介護職

介護の仕事の特徴

彼女の仕事は介護職です。

高校を卒業してからほぼずっと介護の仕事をしてきました。

介護の仕事はどんなイメージがありますか?

肉体労働のイメージが強いかもしれませんね。

たしかに足腰の立たない高齢者を抱え、ベッドから車椅子に移す行為を毎日何度もやりますし、寝たきりの方だとそれこそ丸抱えで移すこともあります。

肉体的な負担の大きい仕事ですね。

それに加えて精神的な負担も大きい仕事だと言われています。

感情のコントロールが求められます。

毎日生活を共にしてきた高齢者が亡くなったときは、精神的な負担はかなりのものになります。

後は不規則な生活になりやすい、勤務時間ですね。

朝早く出勤して夕方までの日もあれば、昼頃から出勤して21時までの日もあります。

夜勤もありますから、どうしても生活が不規則になってしまいます。

肉体的、精神的に負担が大きい仕事ですね。

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乳がんになったときの彼女の立場

病気になった当時は、介護老人保健施設という老人ホームのフロア責任者でした。

3フロアある老人ホームの1フロアを任されていたのです。

当然部下もいて、教育、指導もしていました。

元々働くのが好きなタイプでしたから、手術が終わればすぐに職場復帰の予定でした。

フロアの責任者はそう簡単に後任が立てられません。

生活している高齢者、そのご家族、そしてスタッフとの信頼関係を構築できる人材でないとできないからです。

おいそれと交代できるポジションではないんですね。

彼女はそれを理解していましたから、できるだけ早期の職場復帰を考えていたわけです。

乳がん手術後しばらくの間、介護職復帰は難しい

手術側の腕の問題で、しばらく介護職復帰は困難

彼女の手術内容は、右乳房温存療法術でした。

しこりの大きさは約3㎝。

センチネルリンパ節を3個切除しています。

彼女の場合、手術後に抗がん剤治療が必要との判断になりましたので、この時点での職場復帰は断念せざるを得ませんでした。

しかし、抗がん剤治療がなくてもすぐの職場復帰は身体的に無理だったと思います。

彼女は右が利き腕になりますが、手術後しばらくは腕の痛み、浮腫、筋力低下に悩まされていたからです。

とてもじゃないですが高齢者の身体を持ち上げたり、支えたりすることは難しい状態でした。

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抗がん剤治療中に介護の仕事をするのは不可能

手術後よりもさらに厳しいのが抗がん剤治療中です。

副作用の出方によって個人差があるので一概には言えませんが、この間に介護の仕事をするのは不可能だと思います。

まず、投与後1週間は仕事どころかまともに生活するのさえままなりません。

この間はどんな仕事であっても困難です。

2週間目から副作用は快方に向かいますが、次に問題となるのは白血球減少による免疫力低下の問題です。

感染症にかかりやすくなりますから、仕事は難しいですね。

特に老人ホームなどの場合、高齢者の免疫力が低く、インフルエンザやノロウィルスが蔓延しやすい環境です。

抗がん剤治療中の患者にとっては、リスクの大きい職場になります。

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放射線治療中は仕事ができる状態になる

放射線治療中については、副作用はそれほどきつくありません。

週末を除いた週5日間、毎日受診しなければなりませんが、治療自体は短時間で済みます。

週末だけ仕事をするとか、平日でも受診時間を避ければ仕事は可能だと思います。

ただし、彼女のように放射線治療で白血球の減少が起こる場合があります。

こうなると感染症のリスクから、介護の仕事をするのは控えた方がいいかもしれません。

あと、腕の浮腫の影響も考慮する必要があります。

リンパの流れが悪くなっているので、浮腫が出やすいですから。

力仕事をすると顕著に浮腫が出ます。

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職場復帰はホルモン療法に移ってから。見た目の問題もあり転職する

結局、彼女が職場に復帰することができたのは、ホルモン療法に移ってからでした。

乳がんが見つかって約1年強経ってからです。

元々の職場もポストを空けて復帰を待ってくれていましたが、彼女は転職する道を選びました。

理由は

  • 乳がんの再発リスクを考えると、夜勤のない仕事の方が良い
  • 治療前と姿が変わっているので、見られるのに抵抗がある

の二点です。

2番目の理由については、ずばり頭髪の問題です。

髪の毛は生えてきていましたが、脱毛する前とは明らかに違っていました。

とても細くて猫毛で、量も少ない状態でした。

そして、今現在も髪の毛は戻っていません。

で、彼女が新たに選んだ仕事は「訪問介護」でした。

ヘルパーさんってやつです。

高齢者の自宅を訪問して、家で生活のお手伝いをする仕事ですね。

これだと夜勤がありませんし、一度にたくさんの高齢者を世話しなくていいので負担が少ないのです。

今のところ全く問題なく仕事できています。

乳がん関連の困りごとを強いてあげるとすると、髪の毛の問題ですね。

高齢者の家から家へ移動する際バイクを使用するのですが、ヘルメットをかぶらないといけません。

かぶるとすぐに髪の毛がぺちゃんこになって、頭皮が目立つのです。

ある程度割り切れているようですが・・・・。

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まとめ

乳がんの治療をしながら仕事をするのはやはり大変です。

まとめると下記の点に考慮が必要です

  • 手術後の腕の状態
  • 脱毛などの見た目の影響
  • 副作用、特に白血球の減少
  • 再発を防止するための生活

抗がん剤治療中はもちろんですが、手術後の腕の状態は盲点になりがちなので、気を付けておいた方がいいと思います。

手術側の腕は、傷の具合や浮腫の影響などから、どうしてもかばうようになってしまいます。

結果、筋力の低下につながってしまいます。

頭髪については、元に戻らない人が少なくないようです。

ウィッグを着けて仕事ができる環境ならいいのですが、介護は入浴介助などハードに動く場面がありますから難しいかもしれません。

白血球の減少は目に見えないので対応が難しいですが、体調を崩すと治療が中断してしまうので、無理はしない方がいいです。

あとは、再発の防止をするためにも、規則正しい生活ができる環境の職場を選びたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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