予想以上に広がっていた乳がん 温存療法から全摘手術に変更も

造影CTができなかった故の不確定要素

無事乳房温存療法を終えることができた彼女でしたが、実は手術前にたくさんの不安を抱えていました。

彼女は幼いころから喘息を持っており、大人になっても改善されませんでした。

乳がんの検査で用いられるCTは二つの方法があり、造影剤を使ってより詳細に検査ができる造影CTと、造影剤を使わない単純CTに分かれます。

しかし造影剤には副作用があり、喘息を持っている人は喘息発作を誘発する恐れがあるため、彼女は造影CTを受けることができませんでした。

医師の説明によると、本来乳がんは検査では十分にわからず、切って開けてみて検査とは違っていたということが往々にしてあるそうです。

ましてや彼女の場合は造影剤を使うことができなかったので、きちんと検査ができた人と比べて切ってはじめてわかる部分が多くなってしまうとのことでした。

私も検査結果の際にCT画像を見せてもらいましたが、医師が言う通り端の部分がぼやけており、はっきりとわからない状態でした。

もしかしたらそのぼやけているところにがんが広がっているかもしれず、それは開けてみないとわからなかったのです。

 

詳しい検査の内容や診断結果はこちらの記事をご覧ください。

 

そして、万が一広がっていれば乳房全摘出手術に切り替える場合があるし、全部取りきれなければ再手術になる可能性もあるとのことでした。

あわや全摘手術 予想以上に広がっていたがん

いざ手術を受けて開けてみると、右乳輪付近にあったがんから、乳輪を中心にして右斜め上に予想以上に広がっていることが分かり、予定していた1時間半の手術時間が2時間に伸びました。

手術直後の執刀医が彼女の母親にしてくれた説明では

「当初予定していたよりもがんの広がりが大きく、乳房温存ができるぎりぎりのところまで切除することになりましたが、全部がんは取りきれました

「リンパ節への転移はないと予想していましたが、センチネルリンパ節生検の結果、切除した2つのうち1つから非常に微小ではありますががん細胞が見つかりました

しかし、放射線治療で十分にコントールが可能と判断し、リンパ節の郭清(切除すること)は行いませんでした」

とのことでした。

手術が無事終了し、希望していた乳房温存療法を受けられたのはありがたいことでした。

セカンドオピニオンを求めてこの病院を選択したのも、乳房温存療法を受けることがメインの目的だったので。

しかし、手術後の説明で不安を持ったのも事実でした。

乳房温存療法を選択してよかったのか?

手術後の説明ではがんはすべて取りきれたとのことでした。

ただ入院中の検査でがんが残っていると認められる場合があり「その時は再手術が必要になる」とも言われていました。

実際に彼女が入院していた間にも、2日後に退院が決まっていた患者さんが急遽再手術となったケースがありました

だから退院許可が出るまで気が気でありませんでした。

また、乳房温存療法を選択が正しかったのか、本当に悩みました。

なぜなら「乳房を残すことができるぎりぎりまで切除した」ということは「それ以上切除すると全摘出手術が必要だから、それ以上は切らなかった」ともとれるわけで、全摘出手術なら気にせずに切除できるところを温存療法と制限がかかっているがために、がん細胞を残して終えてしまった可能性があるように思いました。

それなら最初から全摘出手術を選択していた方が、医師も気にせずに切除することができ、私たちも安心できたのではないかと思ったのです。

この悩みについてはしばらく残る形となりました。

 

 

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