鬱の危険も!大きな病気を受容する支援

突然命にかかわるような病気になったり、障害が残るようなケガを負ったりといった不可逆的なことに直面した場合、人は受け入れるのに大変な苦痛を感じます。

ほとんどの場合混乱したり、人生に否定的になったりといった感情の激しい動きが見られるんですね。

こういった感情の動きは論理的に説明されており、周囲にいる人たちのフォローが適切に行われないと、必要以上に本人が苦しい思いをすることがあります。

今回は各段階に現れる感情の動きを見ていきながら、大切な奥様や彼女を守っていく方法を考えたいと思います。

大きな病気や障害により大切なものを失う対象喪失の心理

私たちは生活の中で大切なものを失うことで、非常に大きなストレスを感じます。

例えば親との死別や恋人との失恋など、人との別れで会ったり、大切にしていたものあったりですね。

そして、その対象の中に自分の身体も含まれます

病気によって健康な身体を失ってしまったり、事故等によって足を切断したりといったことです。

私の彼女の場合、乳がんによって健康な身体を失ったと共に、健康を取り戻すために女性にとって非常に大切な乳房を失うという現実に直面しました。

それを受け入れて病気と向き合えるようになるには、様々な感情を体験をする過程を経なければならないとされています。

対象喪失の克服過程で体験する感情

対象喪失を克服していくために経なければならない感情として、以下のものがあげられます。

衝撃 取り乱し、パニック状態なる
不安 心細さや頼りなさを感じる。
思慕 失った対象を思い、慕う。
執着 失った対象に強く惹かれ、とらわれる。
再生 失った対象を再生し、永久に保持したいと思う。
理想化 失った対象を実際以上に美化し、理想化する。
同一化 失った対象そのものに、自分が乗り移ってしまう。
悔やみ 失った対象に対してとっていた態度を悔やむ。
償い 良心の呵責から、埋め合わせたいと思う。
おびえ・罪悪感 おそれおびえるような罪悪感。
恨み 失った対象を憎み、恨む。
報復 失った対象に仕返しをしようと思う。
躁的防衛 失った対象を軽視したり無関心な態度をとるなど。

「一般財団法人 長寿社会開発センター 介護の基本Ⅰ・Ⅱ」より引用

 

表のような感情体験を重ねる中で対象喪失を克服していきます。

しかし感情体験が不十分であれば、克服することがとても困難になる場合があります

時に鬱病などの精神的な健康を損なう病気になることもあるのです。

まとめ

パートナーが大きな病気を患うということは本当につらいことです。

病気と闘う中で、不安定な精神状態から周囲に当たり散らすこともあるでしょう。

きっと真っ先に矢面に立つのが夫や彼氏になる私たちだと思います。

でも本人は私たち以上に辛い思いをしているのです。

彼女は命の危機にさらされ、その代替に乳房を奪われるといった苦しみを抱えなければなりません。

そして、健康で傷のない身体は二度と戻ってこないのです。

失うことの辛さを理解し、彼女の気持ちを支えていくことがパートナーである私の役割だと思っています。

 

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