東てる美さん肺腺がんに対する抗がん剤治療中断の理由

女優の東てる美さん(62歳)が、TBS系の番組「爆報!THEフライデー」に出演し、肺腺がんの再発防止のために受けていた抗がん剤治療を、中断したと告白しました。

この報道を聞いて、彼女と重ね合わせ考えるところがありました。

東てる美さんと肺腺がん

東てる美さんはポルノ女優としてデビューし、その後女優として数々の作品に出演されています。

特に「渡る世間は鬼ばかり」の小姑、小島邦子役で、1980年代以降有名になりました。

肺腺がん発覚

その東さんが、2018年5月、TBS系の番組「名医のTHE太鼓判!」で人間ドックを受診した際、左肺に影が見つかり、その後の精密検査で肺腺がんと診断されました。

進行具合を示すステージはⅠbで、腫瘍の大きさは3cm強と小さかったため完治の可能性が高く、7月に手術を受け無事成功しました。

しかし、8月にはリンパ節に転移していることが判明し、再発率50%との宣告を受けます。

そして、再発防止のために抗がん剤治療を受けることになりました。

抗がん剤治療による副作用に苦しむ

抗がん剤治療は1回3週間×4クールの予定でスタートしました。

どんな薬剤が使われたかはわかりません。

1回目の投与時はお元気だったそうですが、2回目の投与を終えた直後から

  • セミの鳴き声のような大音量の耳鳴り
  • 手の痺れ
  • 味覚障害
  • 睡眠障害

といった副作用が強く出ました。

 

抗がん剤治療の副作用については、こちらの記事をご覧ください。

 

抗がん剤治療をやめる選択 その背景は?

副作用があまりにも強いため、東さんは3回目の投与を前に、抗がん剤治療をやめる決断をしたのだそうです。

当初、東さんの娘さんは、抗がん剤の中止を反対しました。

しかし、東さんには大きな後悔がありました。

それは、実母の抗がん剤治療についてのことでした。

東さんの母も子宮がんを患い、抗がん剤治療を受けました。

お母様は抗がん剤治療の強い副作用に苦しみ、東さんに治療の中断を訴えていました。

でも娘である東さんは、中断に反対したのです。

病気が治ってほしい、少しでも長生きしてほし、との思いからだったのでしょう。

結果、がん宣告から1年2か月後、お母様は77歳でこの世を去りました。

そんな母の姿を見ていた東さんは「抗がん剤治療を受けて、副作用に苦しみながら長く生きるよりも、おいしいものを食べて、やりたいことをやって、という道を選択する方が良いのではないか」という思いに至ったのだそうです。

彼女が懇願した治療をやめたい気持ち

この番組での話しを聞いて、私の彼女も同じように悩んだ時期があったのを思い出しました。

初めての抗がん剤投与を受け、副作用に苦しんだ後の2回目の投与直前に、彼女の気持ちは爆発しました。

抗がん剤治療を受けることで、副作用によって日常生活はままならなくなります。

鬱のような精神状態になり、嘔気、嘔吐、強烈な倦怠感が襲ってきます。

味覚障害により、何を食べてもおいしいと感じられなくなります。

髪だけではなく全身の毛が抜け、見た目にも大きな影響が出ます。

それに、彼女の場合は妊娠をする機能を失ってしまうと言われていました。

これだけの犠牲を払っても、抗がん剤治療で再発を100%防ぐことはできません。

確かに再発の可能性は下がるかもしれないけれど、受けても受けなくても再発のリスクが残るのであれば、いつ終わるかもわからない人生、抗がん剤の副作用に苦しむことに時間を費やすぐらいなら、思いっきり楽しみながら過ごしたい、というのが彼女の訴えでした。

 

彼女の抗がん剤治療に対する葛藤については、こちらの記事をご覧ください。

抗がん剤治療の継続を求めたのは正しかったのか?

もちろん私は抗がん剤治療の継続を求めました。

再発の可能性が少しでも下がるなら、その方が良いと思ったからです。

彼女は当時まだ32歳、病気が完治すればまだまだ人生を楽しむ時間があります。

人生を共に歩んできた私としては、これから先の人生も彼女とともに過ごしたいと思いました。

抗がん剤治療の副作用でどれほどつらい思いをしているかは、間近で見てひしひしと伝わってきました。

でも、それも一時的なもので、いずれ終わりを迎えます。

副作用の苦しみを知らないから、言えたことなのかもしれません。

当事者からしたら「そういうなら代わってみてよ」って思っていたでしょう。

そう考えると、治療の継続を求めたのは、私のエゴだったかもしれませんね。

だって、彼女を失いたくない、という自分の思いを優先したわけですから。

答えは何十年も先にあるのかも

この答えが出るのは、きっとまだ先なんだと思います。

乳がんの再発がなく、この先何十年も充実した人生を送ることができれば、あの時の抗がん剤治療も意味があったと思えるでしょう。

彼女がそう思えるように、彼女とともに充実した毎日を送ることが、私にできる唯一のことだと思っています。

どうか穏やかな日々が続きますように。

そしてまた、東てる美さんにとっても、抗がん剤中断という選択が最良の選択となるよう願ってやみません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

闘病記の一番最初の記事です。ぜひご覧ください。

 

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