乳がんステージ2aの状態は?ステージ別の状態と5年生存率
「乳がんは治るがん」という言い方をされます。
それは他のがんと比べて生存率が高いことからきています。
私の彼女は、しこりの大きさ3cm、わきの下のリンパ節への転移はない「ステージⅡa」と診断されました。
乳がんのステージ(病期)がどのように分類されているか、そしてステージ別の5年生存率と、予後に影響する事柄を見ていきたいと思います。
乳がんステージ別の状態と5年生存率
乳がんは進行具合によって分類され、それぞれのステージ(病期)に合わせて必要な治療が行われます。
ステージはⅠ~Ⅳまであり、「しこりの大きさ」、「リンパ節への転移の有無」、「他の臓器への転移の有無」といった3つの要素で分類されます。
以下表にまとめます。
ステージ | 状態 | 5年生存率 |
0 | しこりがなく、乳がんが発生した乳管の中にとどまっている非浸潤がんで、周囲の組織に広がらない極めて初期の段階。 | 100% |
Ⅰ | しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節に転移がない。 まだ乳房にとどまっている段階。 |
99.9% |
Ⅱa | ・しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節に転移がある。
・しこりの大きさが2~5㎝で、わきの下のリンパ節に転移がない。 |
95.4%
|
Ⅱb | しこりの大きさが2~5㎝でわきの下のリンパ節に転移がある。 | |
Ⅲa | ・しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節に転移があり、かつリンパ節がが周辺の組織に固定していたり、リンパ節同士が癒着したりしている。
・しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節に転移はないが、胸骨の内側のリンパ節が腫れている。 ・しこりの大きさが5㎝より大きく、わきの下あるいは胸骨の内側のリンパ節に転移がある。 |
80.4% |
Ⅲb | ・しこりの大きさや、リンパ節への転移の有無にかかわらず、しこりが胸壁にがっちりと固定しているか、皮膚にしこりが顔を出したり、皮膚が崩れたり、むくんでいるような状態。 | |
Ⅲc | ・しこりの大きさにかかわらず、わきの下と胸骨の内側のリンパ節、両方に転移がある。
・しこりの大きさにかかわらず、鎖骨の上下にあるリンパ節に転移がある。 |
|
Ⅳ | 乳がんの転移しやすい骨、肺、肝臓、脳などに遠隔転移している。 | 33.0% |
がんが周囲の組織に広がっていかない非浸潤である0期~Ⅰ期であれば、命にはかかわらない病気と言えます。
また、しこりのある部位にもよりますが切除範囲も少ないため、負担の軽い手術で済む可能性が高いです。
それに抗がん剤治療などの化学療法は用いられない可能性が高いですから、予後は良好と言えるでしょう。
早期発見が非常に大切だと言えますね。
乳がんの治療予後に影響が大きい3つのこと
乳がんの治療と予後に影響してくることとして、次の3つのことがあげられます。
乳房の切除部位や範囲
元々の乳房の大きさや、切除する範囲によって、見た目の影響は左右されます。
いずれにしても服装などでごまかすことはできますが、身に付ける衣服が制限される可能性があります。
また、銭湯に行きにくくなるなどの支障が出ます。
女性にとって乳房は象徴ともいえる部位ですから、コンプレックスになる可能性が高いです。
わきの下のリンパ節への転移と郭清の必要の有無
わきの下のリンパ節へ転移がある場合、リンパ節の郭清(切除すること)が必要になる可能性が高くなります。
リンパ節を切除するとリンパの流れが悪くなり、切除した方の腕にリンパ浮腫と呼ばれる症状が発生し痛みが出ることがあります。
ひどい人だと腕全体が通常の4倍ほどに膨れ上がるなどの症状となり、日常生活もままならない状態になります。
また、感染症にかかりやすくなるため、郭清した方の腕には針や灸、強いマッサージはしてはいけません。
抗がん剤治療の有無
抗がん剤治療が必要かどうかは、その後の生活にかなり大きな影響を及ぼします。
リンパ節への転移があった場合、リンパを通って全身にがん細胞が散らばる恐れがあるため、抗がん剤治療が必要となる可能性が高くなりますが、実はこれだけで抗がん剤治療が必要かどうかの判断をされるわけではありません。
リンパ節への転移の有無に加えて、ホルモンレセプターの強度、がんのグレード(悪性度)、乳がん細胞の増殖能、脈管浸潤の状況など、総合的に判断したうえで、抗がん剤治療の必要性が検討されることになっています。
彼女が診断されたステージⅡaの場合
ステージⅡaですべてくくるのは難しいかもしれませんが、一例として参考にしていただけたらと思います。
彼女の場合はリンパ節への転移とまではいきませんでしたが、手術じのセンチネルリンパ節生検によって、極微少のがん細胞が見つかりました。
これによりリンパ節の郭清は免れましたが、切除したがん細胞を検査した結果、がんのグレード(悪性度)、乳がん細胞の増殖度合が高いとして、抗がん剤治療が必要と判断されました。
当初はリンパ節への転移の可能性は極めて低く、抗がん剤治療は必要ないだろうと言われていましたので、ステージⅡaにおいて必ずしも抗がん剤治療が必要ということではありません。
むしろ、彼女はどちらかというとステージⅡbに近いと言えるかもしれません。
リンパ節郭清がなかったおかげか、腕に強い浮腫が出たことは手術後の4年間でほぼありません。
ただし、抗がん剤の副作用はきつかったのと、脱毛から髪が生えそろわないままの状態です。
特に頭頂部と前髪のところが薄くなっていますね。
髪の毛は生えてきますが、弱くてすぐに抜けてしまうそうです。
現在はホルモン療法を受けていますが、更年期に出るホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)が時々出ます。
基本的に以前より暑がるようになりましたね。
あとはこれも更年期にみられる症状に似ていますが、情緒不安定といいますか、非常に怒りっぽい性格になりました。
でも、乳房温存手術、抗がん剤、放射線治療と終了した後は、普通に社会人として仕事をし、日常生活を送ることができています。
参考になればと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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