納得して手術を受けさせたい セカンドオピニオンを探る
彼女のくみが乳がんの診断を受けたのはちょうど秋に入り始めた頃でした。
これから少しずつ寒くなっていく季節の中で治療を受けることになるんだなぁと思っていました。
いろんなことを振り返ってみると、人生の中でもかなり濃度の高い時間がでしたね。
今回は診断結果を受けてのその後の様子を綴ります。
乳房全摘手術が必要との診断を受けて
最初に乳がんの診断を受けた病院での治療方針は、下記の通りでした
- 乳房全摘出手術
- 術後の抗がん剤治療はセンチネルリンパ節生検次第(抗がん剤の必要性はかなり低い)
- ホルモン療法を5年間実施
彼女の詳細な診断結果と治療方針はこちらの記事をどうぞ
病院から自宅に戻る道中、治療について彼女と話しをしました。
彼女の手術への希望は乳房を温存したいというものでした。
それが無理だと診断され、かなり意気消沈していました。
「先生も言ってたけど、乳房再建手術を受ければ、見た目はほとんど自分の胸とわからないぐらいになるみたいだよ?
乳房温存療法だとその後に放射線治療もしなければいけないし、今は全摘出手術を選ぶ人も増えているよ?
命には代えられないし、前向きに考えると良い選択になると思うよ?」
私はそう声をかけましたが、彼女は思いつめた表情をしていました。
そして「もうどうでもいいよ」と投げ捨てるように言いました。
彼女が乳房温存療法を受けたい理由
しばらく沈黙が続いた後、思い直したのか少しずつ彼女が本音を話し始めました。
「たしかに見た目は元に戻るかもしれない。
でもね、それはもう私の胸じゃないよ。
触ってもなにも感じない、温かくないんだよ?
そんなの嫌だよ。
形が変わっても、見た目が悪くても、私は触った感覚が分かる温かい胸がいいよ。
でも無理だもんね、諦めるしかないね」
私はどちらかというと見た目を気にするんじゃないかと思っていました。
でも、彼女には「見た目よりも自分の胸を残しておきたい」との強い気持ちがあったのです。
「いや、じゃあそれができる病院を探せばいいよね。
できる限りのことをしようよ。
くみが納得して治療が受けられるように。
少し時間ちょうだい」
そう話しをして、私はあらゆる可能性を探る決心をしました。
セカンドオピニオンを求めて
私はすぐに乳房温存療法で手術ができる別の病院を探し求めました。
まずはインターネットで乳がんに長けている病院を探すことにしました。
そして「乳がん手術で頼れる病院ランキング50」というページにたどり着くことができました。
ここには病院別に乳がんの手術の実績数などがデータとして掲載されていました。
残念ながら掲載されている中に、自宅から通える範囲の病院はありませんでした。
そこで白羽の矢を立てたのが、彼女の実家がある地域の病院でした。
その病院は常時ランキングTOP5に入る乳がん治療では非常に有名なところだったのです。
すぐに電話をかけ事情を話すと看護師長が電話口に出てくれて、診断結果を聞いてくれました。
そして乳房温存療法でどうにか手術ができないか、と相談したのです。
乳房温存療法が受けられる!
「確定したことは言えないですけれど、恐らく大丈夫だと思いますよ」
看護師長は携帯電話の向こうで、そう答えてくださいました。
「えっ?えっ?本当ですか!」
それがあまりにもあっさり過ぎて思わず聞き直したのですが、改めて同じ内容を応えていただき私は思わず立ち上がりました(笑)
ドラマでよくあるシーンですよね。
驚いたり、意外だったりすると思わず立ち上がる、みたいなシーンが。
あれは現実に起こりえるんだと、この時初めて思いました(笑)
通常診てもいな患者で、しかも他の病院で全摘手術が必要と診断されているのに、相手に期待を持たせるようなことを言うのは非常にリスキーだと思います。
だからこそ、逆に私はこの病院は乳がんについて相当自信があるんだと思いました。
「くみ、病院にすぐに電話して!乳房温存療法で手術が受けられるかもしれないよ!」
私はとても嬉しくなって、彼女にすぐに連絡をしました。
彼女も電話の向こうで久しぶりに明るい声になりました。
最後までご覧いただきありがとうございます。
大変励みになります。
病院選びで参考にしていただきたい記事です。
闘病記の一覧はこちらからどうぞ
乳がんの平癒祈願はこちらの記事をどうぞ
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません