乳がん手術後の化学療法とホルモン療法の効果は?

乳房温存療法の手術が終わって彼女の乳がんの詳細が判明し、私たちは抗がん剤治療が必要なことを突き付けられました。

再発を予防する目的で行われる化学療法とホルモン療法について、私たちが医師から説明を受けた話しをまとめておきたいと思います。

 

彼女の治療方針はこちらの記事をご覧ください。

化学療法+ホルモン療法と無治療との差

乳房温存療法の標準治療として残った乳房への放射線治療、そしてホルモン療法は多くの場合ついてきます。

そしてリンパ節への転移があれば、全身にまわった可能性のあるがん細胞をたたくために、抗がん剤による化学療法が必要となります。

これらの治療は再発を防ぐ目的でするわけですが、実施する、しないでどれぐらいの差が出るのでしょうか。

私たちが医師から説明されたのは次の通りでした。

無治療の場合の再発率

32歳の彼女の場合、化学療法もホルモン療法もしなかった場合の再発率は、40~50%。

なんと2人に1人は再発する確率となるそうです。

これはかなり高い数値ですよね。

化学療法を実施した場合の再発率

手術後に抗がん剤治療を受けた場合の再発率は、無治療の場合の半分にまで下がるとされています。

つまり4人に1人の確率で再発するということですね。

これでもかなり高いと感じました。

化学療法とホルモン療法を実施した場合の再発率

化学療法に加えてホルモン療法も実施した場合の再発率は、さらに30~40%にまで減らせるとのことでした。

だいたい10人に1人ぐらいの確率ですね。

すべての治療を受けることをフルコースと呼ぶそうですが、それを受けても10人に1人が再発するということですね。

これを多いとみるか少ないとみるか、それは人それぞれ違うと思いますが、彼女がすべての治療を受けそれを身近で見ていた私としては、これほどつらい思いをしても10人に1人の確率で再発するのか、と思いますね。

治療を受けることで失うもの

治療を受けて得たものとしては、やはり再発のリスクを下げることができたということです。

では失ったものはどれほどあったのか、今現在で彼女が失ったと感じるものは

  1. 妊娠することができなくなった
  2. 抗がん剤終了後も地肌が見えるぐらい髪の毛が薄くなってしまった
  3. 身体的、精神的な安定がなくなった

ざっくり考えてこんな感じですね。

3の「身体的、精神的な安定がなくなった」というのはホルモン療法の副作用から来ています。

生理が止まり更年期障害のような症状が出ますし、彼女の場合は非常に怒りっぽくなりました。

まるで人が変わったように感じるぐらいです。

命あってのことと重々承知の上であえて言わせてもらうと、乳がん治療によって彼女が失ったものはあまりにも大きかったと感じています。

もっと初期に病院を受診していれば、抗がん剤治療は避けれられたかもしれません。

何度考えてもその部分は後悔が残ります。

それでも命が大切 医師からの説得

手術が終わり今後の治療方針も出た私たちは、最初に診断を受けた病院を訪問しました。

手術を受けた病院の医師が書いてくれた手紙を、最初の病院の医師に届けるためで、そこには手術の結果と今後の治療方針が書かれていました。

なんとか化学療法を避ける術はないかと、私たちは最初の医師にも抗がん剤治療について相談しました。

医師は穏やかな口調ながら真剣な表情で

「抗がん剤治療、そしてホルモン療法はしておいた方がいいよ。

あくまでも再発の可能性を下げる目的でするわけだから、しなくても再発しないかもしれないし、逆に治療しても再発するかもしれない。

これはなんとも言えないけれども、でも万が一再発してしまうと、治療はとても難しくなる。

だからその可能性をできる限り下げるように、抗がん剤治療、ホルモン療法は受けておいた方がいい。

子供が欲しいのであれば、卵子を凍結保存しておく方法がある。

抗がん剤治療が終わった後、ホルモン療法を延期したり、中断してその間に出産するのも選択肢としてあるよ」

と話してくれました。

私も彼女との子供が欲しと思っていましたが、それは彼女がこれからも元気でいてくれることが大前提です。

そう考えると優先すべきは彼女の健康であり、抗がん剤治療は受けるべきと判断せざるを得ませんでした。

 

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