乳がんを患ったことで周囲の目に苦しむ彼女
最近、少し彼女と突っ込んで話をする機会がありました。
私たちの未来の話しです。
これからどんな関係で、どんな風に過ごしていくのか。
彼女が病気になってから、私の中では意識的にも無意識的にも避けてきた話題でした。
そんな話しをする中で、乳がんになったことの苦しみが、思っていた以上に大きいことがわかりました。
わかっていたつもりでしたが、ここまでひどく彼女の気持ちに影響を与えているとは理解していませんでした。
2人の付き合い方が変わった
彼女が乳がんになる前、私たちはほぼ毎日のように会っていました。
仕事が終わるのが遅くても、必ず彼女宅によって食事をしたり会話を楽しんだりしていました。
病気になって治療が始まり、彼女の生活サイクルが変わり始めたのを機に、その形が少しずつ変化していきました。
特に、彼女が長期間田舎に帰ることになった放射線治療後、ホルモン療法が始まってからその変化は顕著になりました。
彼女の性格の劇的な変化や、私の仕事の忙しさが相まって、会うのは月に2~3回という状況です。
彼女自身も以前のように会いたがらなくなりました。
会話の内容についても、以前のようにお互いの悩みを話す機会は減りました。
なにか新しいこと、生活環境に変化が起こるようなことをする際には、お互い相談していましたが、それもほとんどしなくなりました。
客観的に見ると、交際しているカップルとしては倦怠期というか、末期というか、そんな関係になっているように思います。
彼女の中で変わっていく自分
「ひとりで生きていくんだ」
そんな意思が彼女の言動に見え隠れします。
私に対する発言も、以前のような思いやりがなくなったように感じます。
「交際がダメになるなら仕方がない」
これから先を考えて、という前提がなくなったんだと思います。
そんな関係が続いている中、私は彼女に
「以前のような、2人で一緒に歩んでいく関係に戻りたい」
と訴えました。
すると、彼女がこれまでお腹にしまっていた思いを、やけくそ的に話してくれたのです。
私は乳がんになってから考えが変わったよ。
他人から「乳がんなんかになって」って軽蔑の目で見られている。
一歩距離を置かれて、触れたらいけない人みたいに思われている。
まるで汚い物に触れるかのように扱われるよ。
髪の毛だって、隠そうと思ってウィッグを着けたら怪訝な顔をされるし、着けなかったら「髪が薄い」とか頭皮に汗をかいているのが見えるから「暑いの?」とか言われる。
とにかく人の目が気になるし、髪の毛が薄いから自分に自信がなくなった。
見た目がブサイクだから、おしゃれなんてする気にもならない。
髪の毛が薄かったらなにやってもブサイクだよ。
子供出来ない、ハゲで乳なしだよ、本当に惨めに思うよ。
彼女が乳がんの抗がん剤治療によって、4年経った今でも随分な苦しみを持ち続けているのがわかりました。
見た目の問題は深刻だなと思いました。
今の自分を受け入れられず、本当に苦しんでいるのです。
だから、自分の殻に閉じこもるようになったのでしょう。
彼女をどう支えていくか
そんな中で、彼女の親や兄弟よりも近くにいる私は、どう支えていけばいいのかということですよね。
彼女は髪が薄くなった今も、とてもチャーミングで魅力的な女性です。
そんな風に思っていることを、もっと言葉にして伝えていかなければならないと思っています。
あと、彼女の口から時々「乳がんになって同じ思いをした人しか、私の気持ちなんてわからない」という言葉が聞かれます。
同じような経験をした人が集まって、思いを共有することができる「ピアカウンセリング」を受けるのも、彼女の心の問題を解決する糸口になるかもしれません。
いずれにしても、一朝一夕で解決する問題でないのは事実です。
今でも彼女が私を求めてくれていることはわかっています。
私にできることを整理しながら、彼女を支えていこうと思います。
(というか、支えるという意識がダメなのかもしれませんね。自然に過ごすことがもしかしたら大切なのかもしれません)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
クリックが励みになっています。いつもありがとうございます。
にほんブログ村
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません