抗がん剤の副作用が起こるメカニズムと個人差の理由
日本で女性が罹患するがんの第1位が乳がんです。
今では11人に1人の割合でかかると言われています。
その乳がんの治療につきまとうのが副作用ですよね。
抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン療法すべてに何らかの副作用があります。
その中でもダントツにつらいのが抗がん剤治療の副作用ということになります。
今回は抗がん剤で副作用が起こる理由や、副作用の個人差について注目してみました。
抗がん剤治療で副作用が起こる理由は?
そもそも抗がん剤治療で副作用が起こるのはどうしてでしょうか。
抗がん剤治療は全身化学療法と呼ばれ、手術や放射線治療のようにがん細胞がある場所を特定した上での局所的な治療とは異なり、全身に散らばったがん細胞を根絶する目的で行われます。
がん細胞の居場所がわからないので、とにかく全身に薬をばらまき、やっつけてしまおうじゃないか!という感じですね。
では、抗がん剤はどうやってがん細胞に作用するのでしょうか。
全身に投与された抗がん剤は、がん細胞が正常な細胞と比べて「細胞分裂が活発であること」を目印に攻撃します。
つまり「がん細胞を見つけたぞ、やっちまえ!」
ではなく
「細胞分裂の活発箇所ロックオン!攻撃します!」
という感じです。
しかし、正常な細胞の中にもがん細胞と同じように、細胞分裂を活発に行っているところがあります。
残念ながら抗がん剤はそれを見分ける機能を持ち合わせていないので、与えられた役割をきちんとこなしているだけの、なんら罪のない細胞まで攻撃してしまうのです。
正常な働きをしている細胞の立場からすれば、理不尽この上ないことなんですよね。
「掃除をさぼってるやつの横できちんと掃除をしていたのに、同罪とみなされて先生から怒られた」
的な感じでしょうか(例えたら余計にややこしくなったようで・・・・)
抗がん剤の攻撃を受けるのは?
副作用は抗がん剤の攻撃を受ける対象となる場所、つまり細胞分裂が活発に行われているところに出ます。
具体的には
- 血液を作る骨髄細胞
- 毛髪細胞
- 口腔・胃腸の粘膜細胞
といった細胞に悪影響を及ぼします。
骨髄細胞への攻撃で、白血球の減少が起こります。
毛髪細胞への攻撃で、頭髪を含む全身の毛が脱毛します。
口腔では口内炎や口腔内の違和感、味覚障害が発生します。
胃腸への影響で嘔気、嘔吐、便秘や下痢が起こります。
ここで頑張っていた細胞のみなさんは、たまったもんじゃありませんね。
がん細胞もろともやっつけられてしまうわけですから。
抗がん剤の副作用に個人差があるのはなぜ?
抗がん剤の働きと副作用が起こる理由についてはこれまでの通りです。
抗がん剤を投与すれば、どの患者にも起こる作用ですね。
ところが、副作用として現れる程度は、個人差がかなり大きいようです。
うちの彼女の場合は「これでもか!」というぐらい、強烈に副作用が出ました。
しかし、人によって
- 「嘔気、嘔吐はほとんどなかったよ」
- 「精神的に落ち込むことはなかったなぁ」
- 「口内炎はそれほどでなかったね」
といったことがあります。
この理由は今のところ「体質の違い」としかいえないようです。
確かに、風邪をひくと熱が上がりやすい人もいれば、そうでない人もいます。
主観的なところで言うと、痛みに強い人もいれば、ちょっとしたことでも強く痛みを感じる人もいるようですし。
そういった違いが合わさっているものと思われます。
まとめ
抗がん剤の是非については、医師の中でも様々な見解があるようですね。
「抗がん剤は毒物だ」とはっきりおっしゃる方もいらっしゃいますし。
たしかに、がん細胞だけでなく正常な細胞も破壊するわけですし、副作用の症状を目にすると、身体に悪いのは明らかです。
それでも今の医学では、がんの再発を予防するために「背に腹は代えられない」と抗がん剤が標準治療となっています。
最終的に選択するのは患者自身ですが、本当に難しい問題だと思います。
彼女が失ったものと、それでも今は再発なく元気に過ごせていることを照らし合わせて、選択はただしかったのだろうかと思い悩むことがありますね。
医学の発展により、抗がん剤治療に変わる方法が標準治療になることを、切に願うばかりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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