がん細胞を攻撃するキラーT細胞に新たな発見!

平成31年2月28日付で、がん治療が大きく進展するかもしれないニュースが流れました。

がん細胞を攻撃してくれる免疫細胞の「キラーT細胞」に関連する重要な発見です。

まだマウスでの実験段階ですが、実際のがん患者の治療に使用できるようになると、がん治療が飛躍的に発展する可能性があります。

キラーT細胞の攻撃力が低下する仕組みの解明

今回の発見は「キラーT細胞の働きが悪くなる仕組みの解明」です。

では、キラーT細胞の働きから見ていきたいと思います。

キラーT細胞はどんな役割や性質を持っている?

キラーT細胞とは、細胞障害性T細胞とも呼ばれ、人間の身体にとって有害となる細胞や、本来体内にない細胞、例えば移植した細胞に対して攻撃をする役割を持っています。

病原体などの細胞を殺す役割を担っていることが「キラー」と名付けられる由縁と言われています。

キラーT細胞は、当然がん細胞にも攻撃をします。

しかし、その攻撃の中で、少しずつ攻撃力が低下していくのがわかっています。

また、キラーT細胞が過剰に反応することで、アレルギーの原因になるとされています。

キラーT細胞の働きを低下させる原因

今回の発見は、キラーT細胞の働きが低下する原因の解明です。

マウスを使った実験で、働きが低下したキラーT細胞の核内には、「Nr4a」と呼ばれるたんぱく質の一種が増加していることがわかりました。

「Nr4a」が増加すると、キラーT細胞の働きが悪くなり、また攻撃のために出すたんぱく質の量が減少するとのことです。

さらに、通常のキラーT細胞をマウスに投与すると、細胞の生存率が90日後には0%だったのに対し、「Nr4a遺伝子」がないキラーT細胞では70%の生存率となりました。

キラーT細胞の攻撃力を低下させない治療法の確立を目指す

キラーT細胞の攻撃力が低下する仕組みがわかったことで、逆に低下させない仕組みも判明しました。

あとはなんらかの手を使って体内で作られるキラーT細胞の攻撃力を維持する方法が必要です。

例えば、キラーT細胞の攻撃力を低下させる「Nr4aタンパク質」を阻害する薬を投入することで、新しいがん治療の方法が確立できるかもしれません。

まとめ

キラーT細胞の攻撃力低下を防ぎ、がん細胞への攻撃力を高める治療方法が実際に使えるようになるまで、まだ時間がかかると思われます。

しかし、2人に1人ががんになる時代となった今、このニュースはとても明るい話題と言えます。

乳がん治療にも使えるのか、抗がん剤やホルモン療法といった負担や歳月のかかる治療から解放される日がくるのか、それは今のところわかりませんが、期待を持って待ちたいところですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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