ドセタキセルの副作用、浮腫の原因と対策は?
2019年1月28日
乳がんの抗がん剤治療でよく用いられるドセタキセル(タキソテール)ですが、副作用のひとつに浮腫があります。
私の彼女の場合、この浮腫がかなりひどくて困りました。
その原因と対策を書きたいと思います。
ドセタキセルで浮腫が出るのはなぜ?
浮腫の出る確率は約50%
抗がん剤の副作用全体に言えることですが、副作用の出方やその強さはかなり個人差があります。
浮腫に関しても同じくですが、出現する確率としては約50%とされています。
ドセタキセルを受ける人の2人に1人が浮腫の副作用を経験することになります。
浮腫の原因は?
浮腫が現れる原因としては、ドセタキセルによって微小管の働きが阻害されることによります。
微小管とは細胞の運動や形の保持に関与する細胞骨格のひとつです。
微小管の働きが抑えられると細胞に隙間ができ、その結果血管の壁の隙間が大きくなります。
その隙間から、正常であれば血管壁を通過しない大きさの分子が通過してしまいます。
そして、通過した分子が血管と皮膚の間に貯まることで浮腫が起こります。
この現象を「毛細血管透過性の亢進」と言います。
浮腫は一般的にドセタキセルの総容量が490mg以上になると高頻度で現れ、ドセタキセルの投与回数が増えるにつれてひどくなるとされています。
浮腫の出方は?
浮腫は全身に出ますが、一日の中で浮腫みが強くなる場所が変わります。
起床時は顔のむくみがひどく、夕方にかけて下肢の浮腫みが強くなっていくのです。
一日座っている時間が長いと、体調に問題がない人でも足に浮腫みが出ると思いますが、同じように身体を起こしていることで体液が下がっていくことが原因です。
浮腫による日常生活への影響
顔に出ると外出をためらう
人によっては顔に強く出る場合があります。
私の彼女の場合は顔の浮腫みが顕著でした。
ムーンフェイスと呼ばれる状態で、満月のように真ん丸の顔になりました。
「そのような顔を人に見られたくない」との思いから、外出を控えるようになってしまいました。
顔は隠しようがないので、社会設渇に影響を及ぼします。
身体が突っ張るため動きにくい
浮腫みが強いと身体を動かすのにも支障が出ます。
身体が腫れているような状態ですから、肌がつっぱって動きが制限されてしまうのです。
ひどいときは少し関節を動かすにもストレスを感じるほどです。
普段何気なくしていた動作にいちいち肉体的、精神的に負担を感じるので、想像以上にストレスを感じるようです。
体重が増加する
ドセタキセルを投与する前と、治療が始まってからとを比較すると、体重が約5kg増加しました。
体液がスムーズに外に排出されず、身体に溜まってしまうことで体重が増えたのです。
顔の浮腫みと相まって、容姿が大幅に変わってしまいましたね。
知り合いに会っても、彼女と気づかないほどの変わりっぷりでした。
少しでも軽減するための浮腫対策!
ステロイドの服用
ステロイド薬を内服することで、浮腫を防ぐことはできませんが、発生を遅らせることはできます。
浮腫の発生を遅らせることで期間を短縮し、負担を軽減できるのです。
実は浮腫が原因で抗がん剤投与を中止するケースが、約3割もあるというデータがあります。
それほど浮腫は日常生活に与える影響が大きいのです。
ですから、治療を完遂するためにも浮腫の発生を遅らせることは意味があります。
利尿剤の服用
利尿剤を服用することで体内の水分を外に出し、浮腫を抑えることができます。
一般的な浮腫に対しても行う対応方法ですね。
浮腫がなくなるのはいつ?
ドセタキセルによる浮腫は、抗がん剤投与が終了してもすぐに治まらないケースが多いようです。
軽減するのは、治療が終わってからだいたい3か月が経過してからになります。
人によっては投与終了から1か月後、逆に浮腫みがひどくなるケースもあるようで、私の彼女の場合はこのケースに当てはまりました。
まとめ
ドセタキセルによる浮腫の副作用は、治療を中断せざるを得ない人が3割にも上るほどつらいものです。
服薬などにより軽減できればいいですが、症状が軽減しないようであれば、抗がん剤の変更も視野に入れなければなりません。
医師とよく相談し、薬剤の変更も含めて検討する必要があります。
ただ、治療が終了して3か月も経てば元に戻るので、その点は安心してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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