介護職は乳がんになりやすい? その原因は?

私の彼女は32歳で乳がんを発症しました。

彼女は高校を出てから14年間、ほぼ介護の仕事一筋でした。

そこで、介護の仕事と彼女が乳がんになったことになにか関連があるのではないか調べてみたところ、びっくりするような結果になったのでまとめてみました。

ぜひご覧ください。

日本の乳がんの罹患者は増加の一途をたどっている

近頃は乳がんにかかる女性が増えて、なんと11人に1人が乳がんになる時代と言われています。

食生活の欧米化などいろいろな理由が考えられる中で、そのうちのひとつとして、夜勤をする女性が増えていることも要因として考えられています。

というのも、アメリカで夜勤がある看護師と、ない看護師を比較したところ、30年以上夜勤をしていた看護師の方が約1.3倍乳がんになる確率が高いという結果が出ているのです。

日本でも、夜勤をする看護師の方が1.8倍、夜勤のみの看護師はなんと2.9倍、夜勤しない看護師より乳がんの発生率が高いという情報があります。

夜勤をすると乳がんにかかりやすいのはなぜか?

DNAの損傷ががんの原因となる

では、どうして夜勤をすると乳がんになりやすいのでしょうか。

がんはDNA細胞が損傷することでなりますが、通常であれば損傷したDNA細胞は日々修復されます。

夜勤でDNAの損傷を修復する機能が低下する

その損傷したDNA細胞を修復するのがメラトニンというホルモンです。

メラトニンは規則正しい生活をすることで正常に分泌されますが、不規則な生活や昼間、太陽光を浴びないような生活を続けるとメラトニンがうまく分泌されず、不眠症などの症状をもたらします。

そして、DNA細胞の修復作業も不十分となり、がんになりやすくなると言われています。

夜勤をすることで日中は寝て、夜仕事をするという機会が増えますし、その不規則な生活から介護職は不眠症になる人が多いと言われています。

その結果メラトニンの分泌が不十分となり、乳がんになりやすくなるということです。

乳がん患者の増加と介護職の数には関係がある?

乳がん患者の増加と老人ホームの関係

女性がかかるがんの中で乳がんが1位になったのは1999年です。

そして、2000年を境に急激に乳がん患者が増えています。

介護職に関係する介護保険が施行されたのが同じく2000年で、乳がん患者の増加が加速した時期と重なります。

「国際がんセンターおよび厚生労働省の統計参照」
 

上のグラフは、統計が出ている2003年から2014年までの乳がん患者の推移と有料老人ホームの件数を表したものです。

有料老人ホームとは介護が必要な高齢者が入居できる施設ですが、法的に設置しやすいことから介護保険施行後爆発的に増え、2000年時点で350施設だったのが、2016年には1万件を超えています。

当然それに合わせて夜勤をする職員が必要となりますから、夜勤をする女性も施設と同じく増えたことになります

夜勤をする介護職の女性と乳がんの患者数の増加は符合する

2016年時点で全国の介護職員数は約180万人、そのうち夜勤のある施設介護職員は約100万人となっています。

現在就労している全看護師の数が150万人との情報がありますから、これまでデータとして扱われていた看護師よりも介護職の方が多くなっています。

そのうちパート、アルバイト等、夜勤をしない人数もいるので具体的な数字はわかりませんし、介護職をする女性の中で乳がんに罹患した割合がどれぐらいか、という統計もないのではっきりしたことは言えません。

ただし、

介護施設が増えた→介護職が増えた→夜勤をする女性が増えた→乳がんの患者が増えた

という図式は成り立ちます。

老人ホームの増加と共に今後も乳がん患者は増える?

夜勤をする女性が増えたことが、乳がんに罹患する人が増えたひとつの原因として考えられ、その職種が介護職であるということは事実です。

介護を必要とする高齢者の数はこれからさらに増える見込みとなっています。

ということは、当然受け皿の施設も必要となるわけで、夜勤者がまだまだ増えるということになります。

すなわち、乳がんの患者はまだ増える可能性が高い、と言えるのではないでしょうか?

まとめ

乳がんの罹患者数が増えたことは夜間の労働が原因、というところに焦点を絞ったとしても、コンビニやスーパー、ファミリーレストランの24時間営業も増加してきたので、老人ホームの夜勤がすべての理由とは言えません。

ですから一概に介護職が他の職業と比べて乳がんになりやすい、とは言えないかもしれません。

しかし、夜勤が乳がんになりやすい原因の一つであることは統計として出ており、夜勤のない仕事と比べると夜勤のある介護職の女性は乳がんになりやすい、ということは言えます

サービス業が24時間営業を見直し始めている一方で、介護の入所施設に関しては残念ながら見直すことができません。

入居者がいる以上、24時間365日の介護が必要となりますから、夜勤者を減らすことができないのです。

それならば男性が夜勤を担えば良いということになりますが、男性は夜勤をすることで前立腺がんのリスクが上がるという統計が出ています。

個人的にはAIやロボットを活用することで、問題が解決されるのではないかと考えています。

それについては今後また書きたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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