乳房温存療法のメリットとデメリット
私の彼女は少しでも乳房を残したいとの思いから、乳房温存療法を切望しました。
最初の医師からは「全摘出手術以外に方法はない」と断定されましたが、セカンドオピニオンを求めた病院では「乳房温存療法は可能である」との判断が出て、希望通りの手術を受けることができました。
実際に手術を受け数年が経過した今、乳房温存療法のメリット、デメリットをまとめておきたいと思います。
乳房温存療法のメリット
乳頭、乳輪を残すことができる
乳房温存療法のメリットとしてまず挙げたいのは、自分の乳頭、乳輪を残すことができるということです。
全摘出手術であれば、乳頭、乳輪もすべて切除することになるので、たとえ再建したとしても自分の乳房は一切残らないことになります。
見た目を重視して全摘手術+乳房再建手術を受けるより、形が少々変わってしまっても自分の体温が感じられる乳頭、乳輪を残したいのであれば、乳房温存手術の方がメリットがあると言えます。
見た目については元々の乳房の大きさや、切除する範囲によって影響の大きさに差が出ます。
年齢を重ねた時の不自然さを避けることができる
全摘手術をして乳房再建手術をした場合、最初のうちは見た目の不自然さがなくなります。
しかし、年齢を重ねていくことで、本来であれば自然に起きる身体の崩れが、再建した乳房には起きません。
結果、元あった乳房と再建した乳房のバランスが徐々に悪くなってしまうとのことでした。
乳房温存療法であれば、仮に乳房の多くを残すことができた場合、健康な乳房と同じように形が変化していくためバランスが崩れることがありません。
乳房温存療法のデメリット
乳房の左右のアンバランスが目立つ
どれぐらいの範囲を切除しなければならないかによって変わってきますが、切除部分が多ければ多いほど患部側の乳房が変形してしまい、見た目がアンバランスになってしまいます。
切除部分が大きいと、ふくらみがほとんどなくなってしまうこともあります。
元々の乳房が大きければ大きいほど、その差は目立つことになります。
乳頭や乳頭のひきつれが起こり、見た目の問題が残る
切除した部分が多くなると、皮膚のひきつれが乳輪にも及び、変形してしまいます。
その影響で乳頭や乳輪がくぼんでしまうなどの状況が起こります。
見た目にはっきりとわかる状態になる場合があります。
乳頭の感覚が戻らない
これも切除範囲によりますが、乳頭近くまで切除部分が及ぶと乳頭に十分な血が届かなくなり、最悪の場合は乳頭が壊死して取れてしまうことがあります。
せっかく残した乳頭が、無駄になってしまうケースもあるということです。
また、乳頭も含めたその周辺の感覚が戻らない場合があります。
触れられてもなにも感じられない状態となります。
放射線治療が必要となる
乳房温存療法を選択するかどうかを判断するにあたって、見た目と放射線治療を受けるかどうかがポイントとなってきます。
放射線治療を行う場合、約6週間の治療期間が必要となりますし、副作用が発生することがあります。
そのあたりも踏まえた上で、手術の方法を考える必要があります。
まとめ
乳がんが発覚してから治療に移るまで、1~2ヶ月程度しか時間がありません。
がんという命に危険が及ぶような病気を目の前にして、手術や抗がん剤、ホルモン療法といった治療方法や、妊娠、出産といった治療後のことまで考えて選択するというのは非常に困難です。
そう考えると、心から納得できる治療を選択するのは至難の業ですね。
彼女は乳房温存療法を選びましたが、つい最近
「全摘手術をして再建した方がよかったかなぁ」
と漏らしたことがありました。
乳頭の感覚が戻らないことと、乳房の見た目がとても気になるようです。
一方で、全摘出手術を選んでいても、人工的になってしまった乳房を後悔したかもしれません。
女性として非常に大切な身体の部位に関する問題ですので、本当に難しい問題だと思います。
あなたにとって、少しでも納得のいく治療となるよう願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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