彼女が乳がんになって失ったものと得たもの

私の彼女は抗がん剤治療として、FEC療法とドセタキセルの投与を受けました。

抗がん剤治療を受けるかどうか非常に悩みましたが、少しでも再発のリスクが減るのであればと治療する選択をしました。

しかし、それによって失ったものはとても大きいです。

今でも選択が正しかったのかどうか、悩みますね。

今回は、そのことについて書きたいと思います。

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乳がんによって失ったもの

彼女が乳がんになって失ったものは

  • 片方の乳房
  • 頭髪
  • 妊娠、出産ができる身体
  • きれいな肌

といったところですね。

右乳房を失った

乳房温存療法とはいえ、彼女は元々あった右の乳房を失いました。

今はふくらみはなく、乳頭や乳輪も引きつれた状態になっています。

左の乳房と比べると違いは歴然ですね。

見た目を重視するならば、全摘出手術の後に乳房再建術という選択肢もありましたが、乳房を温存したいという彼女の希望はかなえられたので、これで良かったと思っています。

頭髪が元に戻らないのはホルモン療法の影響も?

抗がん剤治療で抜けた髪の毛は、4年が経過した今も元に戻っていません。

前頭部と頭頂部がかなり薄くなっています。

抗がん剤治療が終わって、放射線治療に移ってしばらくしてから髪の毛は生え始めました。

それからしばらくは順調に生えていましたが、ホルモン療法をしばらく続ける中で、以前より薄くなってきているように思います。

恐らく、ホルモン療法の影響があるのではないかと思っています。

具体的には、生えてきても髪が弱いようで、ある程度で抜けてしまうのです。

ホルモン療法が終わったら、ちゃんと生えてくるのでしょうか。

妊娠、出産はあきらめるしかなかった

抗がん剤治療をする際に、医師に「妊娠は出来なくなると思います」と言われました。

取れる選択肢として、卵子の凍結保存を提示いただきました。

しかし私としては、子供よりなにより彼女に長生きしてほしいという思いしかありませんでした。

それに、卵子の凍結保存は費用もかかるし、確実に妊娠する保証もありません。

結局断念したわけですが、彼女を見ていると時々選択が正しかったのかどうか、悩むことがあります。

甥っ子や姪っ子をかわいがる姿を見ていると、自分の子供が産めていたらどれだけ大切に育てただろうと思いますね。

自分が産んだ子を虐待したり、ろくに子育てしない人が起こす事件がニュースになるのを見ると、なぜこんな人たちは子供を産むことができるのに、彼女はそれがかなわない身体になってしまったんだろうと切なくなります。

神様って不公平だなと思うんですよね。

 

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顔や首筋にシミが増えた

抗がん剤治療をしてから、彼女の顔や首筋にシミが明らかに増えました。

大きなものはありませんが、細かいシミが目立つようになりましたね。

元々色白なので余計です。

これも副作用のひとつのようです。

化粧をすることで隠れる程度なので、浮腫や頭髪に比べるとそれほど気になりませんけど。

乳がん治療は女性らしさを失う

これらを失ったことによって、彼女が口にするようになった言葉があります。

「私はもう女性の身体じゃないからね」

切ない言葉です。

乳がんに罹患する人が増えているということは、多くの人が彼女と同じような思いをしているということになります。

同じ立場の人間として、そのパートナーの方もつらい思いをされているでしょうね。

誰が悪いわけでもなく、どうしようもないことですが、この理不尽な状況にやり場のない怒りを感じるのです。

乳がんでつらいのは、女性らしさの象徴となるものや、女性にしかない機能を失いかねない病気であることですね。

命あってのことだとはいえ、その後の人生を考えると代償はあまりにも大きいですよね。

乳がんになって得たものとは?

一方で、少ないながら得たものもあります。

乳がんになったことで、初めて自分たちの命に限りがあることを突き付けられました。

その結果、人生に対する考え方が変わりました。

毎日をいかに楽しく後悔しないように過ごすか、そんな思いが強くなったようです。

だからお互い、できるだけ笑って過ごすように心がけています。

ホルモン療法の副作用で精神的に不安定だった時期もありますし、今でも時々そんな様子が見え隠れしますが、何とか一日一日を大切に生きていこうとしています。

あと、彼女が経験したつらい時間を生かし、私たちと同じような思いをする人がひとりでも減ればと思っています。

だから、乳がん検診はぜひ受けていただきたいと思いますし、なにか身体に異変があればすぐに病院を受診してほしいです。

早期発見であれば、私たちのような思いをしなくて済みます。

私たちが得た経験が、少しでも人の役に立ちますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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